先日、愛猫家の友人が新たに子猫を迎え入れたらしくお家へと招待されました。
先住猫が大人になり落ち着いてきたところに、仕事がテレワークに移行し時間ができたこともありお迎えを決意したそうです。
友人との会話の中で意外なお話を耳にしました。
なんと、子猫に成猫用のキャットフードを与えてしまうと、栄養不足になってしまい成長が遅れてしまうそうなのです。
“キャットフード”だからと先住猫と同じフードを与えてしまうところだったらしく獣医さんに叱られてしまったみたいです。
話を聞いてみると知らなかった事実がたくさんありました。
子猫には大きくなるまでの間、子猫用のキャットフードを与えなければいけない理由があったのです。
フードを与える時期やおすすめの給餌方法なども合わせてご紹介していきますね。
子猫とはいつまでか
子猫は3〜4ヶ月頃まで1週間単位で急速に成長していき、それ以降も半年頃までは1ヶ月ごとに大きくなっていきます。
メス猫の場合、早いと4ヶ月頃から発情が見られるようになります。半年を過ぎるとゆるやかに成長していき、12ヶ月を目安に成猫になっていきます。
オス猫は6ヶ月頃から発情が見られるようになり、マーキングをすることもあります。
目に見える成長の特徴としては乳歯が徐々に永久歯に生え揃い、体格も成猫の大きさとなっていきます。
- 乳歯は生後4週頃から生え始め、生後2ヶ月頃までに生え揃う
- 乳歯から永久歯へと生え変わるのは生後7ヶ月頃
- 乳歯は全部で26本、永久歯は全部で30本
猫の成長に合わせて与える食事を変えていく必要があります。
しかし、全ての猫が12ヶ月で成猫になるわけではなく、猫の遺伝や個体差、猫種により1歳を過ぎても成長する猫もいます。
授乳期(生後四週間まで)
生後四週間頃までは母乳または子猫用のミルクで育ちます。母猫が育児をしている場合は母乳のみで育てるのが望ましいです。
近くに母猫がいなかったり、育児放棄されてしまった場合は子猫用ミルクで代用ができますので安心してくださいね。
生まれたての子猫は、胃が小さいため一度の食事量を少なく、回数を増やして与えます。
子猫用ミルクは高脂肪かつ高タンパクとなっており、乳糖も調整されているためお腹を壊す心配はありません。
人間用の牛乳は消化不良や栄養失調を起こしてしまう危険性があるため与えないようにしましょう。
離乳期(生後四~八週間)
生後四週間ほどで乳歯が生えてきます。
その頃からミルク以外の食べ物にも興味を持ちはじめるので徐々に子猫用キャットフードに移行していきましょう。
また、消化器が発達していないため、一日5〜6回に分けてあげる必要があります。
飲み込みやすくするためにお湯でふやかしてやわらかくしてフォークなどでほぐしてからあげましょう。
警戒心が強くフードをあまり食べない子猫にはミルクを少しだけかけてあげたり、手のひらから少量ずつ与えたり工夫してみましょう。
子猫用のウェットフードだと水分も摂れるのでお水をあまり飲まない子猫にもおすすめです。
母乳やミルクは生後8週間頃までを目安に離乳していきましょう。
順調に体重が増えていれば離乳完了となり、ドライフードをふやかして与えていた場合は、徐々にドライフードに切り替えていきます。
離乳期以降
離乳が完了したら、子猫用のドライフードに切り替えていきます。
フードには様々な種類があり、大きく分けて主食・一般食・間食の3種類が一般的で、主食が1日に与えるフードの基本となり、「総合栄養食」のことを指します。
フードから充分な栄養を摂ることは、成長とともに体が作られていく子猫にとって必要不可欠です。
総合栄養食には健康な体を維持するために必要な成分がバランスよく含まれています。
しかし、ミルクやウェットフードを与えられていた子猫にドライフードを与えて、すぐ食べられる子は多くありません。
ドライフードとウェットフードを混ぜたり、ふやかしたドライフードと固いままのドライフードを混ぜたりなど、2週間ほどかけて少しずつ固いままのドライフードに慣れさせてあげましょう。
その際、体重が増えているかや健康状態の確認をしながら調節していくことも大切です。
子猫用のフードを与える期間は最長で生後4週間〜生後12ヶ月と長いため、成長に合わせて与える量を変えていく必要があります。
食欲旺盛ではありますがまだ胃が小さいため一度にたくさん食べられません。
ですので1日の給与量を数回に分けて与えましょう。こちらが目安になります。
月齢 | 1日のゴハンの回数 |
4ヶ月頃まで | 5~6回 |
6ヶ月頃まで | 3~4回 |
6ヶ月以降 | 2~3回 |
ドライフードは水分量が低いため、いつでも水分補給ができるようにお水もたくさん用意してあげてくださいね。
また、猫の食べ物の好みは生後6ヶ月ほどまでに食べたものから作られていくと言われています。
子猫は食欲旺盛でもあり、好奇心も旺盛です。
お魚系のフードやお肉系のフード等様々な味や、粒の形、ウェットフードなど何種類かのフードを与えてみましょう。
その際は急に切り替えず新しいフードを既存のフードに少量ずつ混ぜて数日かけて切り替えていき、様子を見てあげてください。
色々な味や食感のフードをこの時期に与えることにより、フードを選ぶことが難しい災害時や決まったものしか食べることのできない療養食等に対応できるようになっていきます。
成猫用フードへの切り替え
猫の成長には猫種による違いや、個体差がありますが一般的には生後10〜12ヶ月ほどで維持期へと変わっていきます。
維持期を目安に子猫の頃に食べていた高カロリー・高タンパクのフードから低カロリーのフードへと移行していきます。
この場合も一度に切り替えず、1週間ほどかけて新しいフードを徐々に増やしていきましょう。
また、大型種は3歳頃まで成長していくため、高カロリーの子猫用フードを必要とします。
成長の早い猫は高カロリーの子猫用フードを食べ続けるとカロリーオーバーになってしまい体の負担になってしまう場合もあります。
判断が難しい場合は、動物病院で獣医師に相談してみましょう。
子猫用フードと成猫用フードの違い
子猫用のフードには成長に必要な栄養のほか、筋肉や骨を作るための栄養も含まれています。
子猫が成猫用のフードを食べたり、成猫が子猫用のフードを食べても一時的なものであれば問題はありません。
ですが前述の通りカロリーや栄養素が違うため、食べ続けると栄養不足になってしまい、健康維持や成長に影響が出てくる可能性があります。成猫用のフードは子猫用に比べてカロリーが低くなっています。
今は完全室内飼育を推奨されていることもあり、野生の猫よりも運動量は減っているため太りやすい猫も少なくありません。
しかし猫は運動でのダイエットは難しく食事でのダイエットが主な方法になります。
猫のダイエットはとても根気が必要ですので、太らないように飼い主がコントロールしてあげることが大切となります。
そのために年齢や体格にあったフードを正しい量で与えるようにしていきましょう。
避妊・去勢手術を受けた猫用のフード
避妊や去勢は健康維持のためにも必要な手術となります。
一般的に生後6ヶ月頃の発情期を迎える前〜12ヶ月の成長期が終わる頃に行うことが多いとされています。
手術後の猫はホルモンバランスが変わり太りやすくなると言われているので、フードも避妊・去勢後用のフードを選択肢に入れてみてもいいかと思います。
月齢に限らず、低カロリーのフードに切り替える際は飼い猫の状態を見て切り替えが必要か獣医師に相談してみるといいでしょう。
安全なキャットフードとは
キャットフードには背面や側面に必ず成分表が表示されています。
成分表の一番目に記載されているものを第一主原料とし、商品の中で含有量が一番多いものとされています。
含有量の多いものから記載されており、下になるほど含有量が少なくなっていきます。
タンパク質・脂質
肉食の猫にとってはタンパク質はとっても大事。
成分表を確認して、穀類よりも先に肉類、魚類など記載されているものを選んであげましょう。
タンパク質は肉類、魚類となり体の全ての組織(筋肉や骨、爪、皮毛、臓器など)の成長に必要な原料です。
しかし、必要だからといってタンパク質を過剰に摂取してしまうと肥満の原因になるほか排出の際に負担がかかります。
逆にタンパク質が不足してしまうと成長不良になり重い病気を招くこともあります。
脂質は効率良くエネルギーを得られる成分となっています。肉類、魚類にも含まれていますが多く摂りすぎてしまうと肥満の原因にもなります。
使用されているお肉の種類や魚系のフードを選ぶなどで、全体的なカロリーバランスを考えてあげましょう。
タウリン
猫の必須アミノ酸でもあるタウリンは、体内で合成することのできない栄養素です。
タウリンとは動物性タンパク質に含まれており肉食動物の猫にとって自然に摂取できる成分となっていますが、タウリン欠乏症になってしまうと心臓や目の細胞に影響を与えてしまう可能性があります。
肉類・魚類が多く含有されているほどタウリンの含有量も多くなってきます。
タウリンが配合されているおやつや、サプリメントもあるので与えているフードと併用することもできます。
着色料
色鮮やかなフードは美味しそうに見えますが猫の視覚は赤以外の緑と青の2色しか見えておらず、色覚は人間ほど良くありません。
視覚よりも優れた嗅覚があるため香りが強いフードを好み、色による食欲増進効果は必要ありません。
炭水化物
穀類と表示されていることが多く、安価であるためカサ増しとして使われていることが多いですが、少量であれば“つなぎ”として使われることもあります。
炭水化物が増えると栄養価が低くなり、必要な栄養素を摂るためには給餌料が増え、消化に負担をかけてしまいます。
トウモロコシや小麦でアレルギーを起こしてしまう猫もいるためグレインフリーのフードか、米や玄米を使用しているキャットフードを選んであげるといいでしょう。
特に猫は肉食ですので人ほど炭水化物は必要ではありません。
まとめ
- 生後4週目頃の授乳期までは母乳やミルクで育てる
- 離乳後から8週目頃までは離乳食を与える
- 離乳期以降はキャットフードへの切り替えを徐々に行う
- 10ヶ月を過ぎた頃から成猫用フードへの切り替えを行う
以上のように成猫になるまでの間、何度も給餌方法が変わっていきます。
月齢や体の成長に合わせた食餌を与えることで子猫の健康維持していくことが大切です。
正しい知識を持って安全で体質に合うキャットフードを選んで与えてあげることをおすすめします。
子猫は食餌の回数も多いほか、慣れない環境にストレスもかかりやすく、好奇心旺盛で様々なものに興味を持つので常に見守ってあげる必要があります。
その分とても愛情が湧きますが、先住猫ちゃんへの愛情表現も忘れずにしてあげてくださいね。
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