先日、ゆねのブラッシングをしていたときのこと。
ふと毛並みを見てみると、ボコボコとした毛束が背中にあるのを発見。
以前の愛猫しゅりにも時々見かけていたので、これが毛割れであることはすぐにわかりました。
しかし、しゅりの時は高齢だったので、年齢によるものだと思っていました。
まだ若いゆねになぜあるのか、不思議に思いましたが、丁寧にブラッシングをしてあげると元通りのキレイな毛並みに戻ったので、この時はあまり気にしていませんでした。
しかし、数日後、また同じことに。
高齢でもなく、身体の調子はどこも悪くないはずなのに、繰り返される毛の乱れ。
ゆねの健康面に関しては、我ながらよく気遣っていると思っていたのに、まさか毛割れに悩まされるとは。
ゆねの健康だけでなく、見た目もつやつやでかわいくなってもらうためにも、毛割れについて徹底的に調べました。
これを参考にすれば、毛割れの原因と対策について知り、お家の猫ちゃんがいつまでもつやつやな毛並みを保てること、間違いなしです!
毛割れについて
猫の毛割れはどういう状態なのか、そもそも、「毛割れ」というワードにピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。
毛割れとは、毛が束になって割れて見えること
毛割れとは、毛が束になって、割れて見える状態のことを言います。
この状態になってしまうと、ブラッシングをしてもなかなかサラサラにならず、途中で毛が絡むこともしょっちゅう。
特に首元や背中は毛割れしやすく、毛割れした束が段になったり、ひどい場合では地肌が見えてしまい、そこからトラブルが発生してしまうこともあります。
毛割れって、放置してもいいの?
こんな声も聞こえてきそうです。
たしかに、見た目の問題をのぞけば、そこまで気になることではないかもしれません。
しかし、毛割れは病気のサインの一つでもあります。
実際に私の友人Aさんは、以前に飼い猫ちゃんの毛割れを見つけた時、同時に食欲もなかったので動物病院で診てもらった結果、甲状腺機能亢進症と診断されました。
幸い、症状はそこまで深刻ではなかったそうで、早期の治療のおかげで、現在は元気になっています。
また、毛割れを放置することで、毛の束がどんどんと大きくなってしまうこともあり、その結果、地肌が見えてしまい、皮膚疾患にかかる可能性も高くなります。
あまりに大きなものだと見た目にも影響があり、お世話をきちんとしていないという印象を抱かれてしまうかもしれません。
猫の毛割れの原因は様々ですが、中には命に関わる病気が原因のものもあります。
気づいたらすぐに対策をすることによって、元通りの毛並みに戻すことも可能ですし、病気の早期発見にもつながります。
- 毛割れとは、毛が束になって、毛並みが割れて見える状態
- 悪化した場合、地肌が見えて皮膚トラブルを起こすこともある
- 毛割れの原因は様々だが、中には病気が原因のものもある
毛割れの5つの原因
病気のサインの一つでもある毛割れですが、もちろん病気以外の原因もあります。
ここからはさまざまある毛割れの原因についてしっかりとお伝えします。
原因① 老化現象
猫の毛割れの原因として最も多いものが老化現象によるものであると言われています。
人間でも、年を取るにつれて髪の毛がパサつきやすくなったり、肌にうるおいがなくなったりしますよね。
猫は9~10歳ごろから高齢期に入るといわれており、活動量も減り、外で動き回るよりもじっと寝ている時間が増えるようになります。
体内の代謝も悪くなり、身体の中の水分や皮脂が減り、また栄養の吸収率も悪くなるために毛の先まで栄養がいきわたらなくなるのも原因の一つ。
また、体力が減ることで、自分で毛づくろいをする元気もなくなっていきます。
猫は毛づくろいをすることで、ただ毛並みを整えるだけではなく、毛や皮膚ついた汚れを洗っています。
毛づくろいが減ることで、お手入れが十分にいきわたらず、結果的に毛割れを引き起こしてしまいます。
原因② フードがあっていないことによる栄養不足
若くて、病気もないのに毛割れを起こしている場合は、栄養が偏っていたり、不足している可能性があります。
特に、安いフードは原材料に要注意。
コストを抑えるために、猫が吸収しにくい穀物類を中心に使用していたり、死んだ動物の肉や人間が食べない部分の肉を使用しているフードもあるようです。
添加物を多く含んでいるものも猫の身体にはよくありません。しっかりと表示を見るクセをつけていきましょう。
以下のものが添加物になります。フードに入っていないかチェックしてみてください。
- 着色料
- 保存料
- 酸化防止剤
- 香料
そのほかにも、猫が肥満だからという理由で食事を減らしている飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
肥満対策は大切ですが、過度にカロリーや油分をおさえてしまうと、毛まで栄養がいきわたらずに毛がパサついてしまう原因になります。
もし食事を減量したいなら、1回量をきちんと計測をし、小分けにして満腹感を促す与え方をするなどの工夫をするようにしてみましょう。
フードの種類や選び方について知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
原因③ 口内炎など、口の中にトラブルがある
口内炎ができたとき、痛みのせいでご飯を食べるのが億劫になったり、歯みがきが苦痛だった経験はありませんか。それは猫も同じです。
猫は口内炎ができやすく、しかも人間よりも重症であることがほとんど。
口の痛みから、エサや水分をとらなくなるので体に必要な栄養が取れず、それが原因で毛までに栄養が行き届かず、結果的に毛割れを起こす原因になります。
また、痛みのせいで毛づくろいもできなくなるので、毛並みを整えることがより難しくなるのは仕方ないことです。
口の中が赤く腫れあがったり、よだれがたくさん出たり、口臭がきつくなるなど、口内炎には様々な症状が見られます。
自然に治すことは難しいので、気になる症状がある時はすぐに動物病院に相談しましょう。
こちらの記事では、口内炎についてより詳しく説明しています。
原因④ 内臓系の疾患
毛割れだけでなく、食欲が無かったり、極端に体重が減っていたりするときは、内臓系の疾患が原因の可能性もあります。
特に猫の死因でも大きな割合を占めている腎不全は、徐々に病気が進行していることが多いので、初期症状が分かりにくく、気づいたときには手遅れになっているということも。
わたしの友人Kさんの猫ちゃんが、先日20歳で亡くなったのですが、死因は腎不全。
Kさんは「十分長生きしてくれたから、後悔はない」と話してくれましたが、一方で「食欲のなさや毛の乱れを年齢のせいにしてしまっていたから、もう少し早く動物病院に相談していればよかった」とも言っていました。
腎不全には、急激に症状が進行する「急性腎不全」と、数カ月から数年かけて少しずつ症状が進行する「慢性腎不全」があります。
特に慢性腎不全は高齢期の猫はかかりやすく、10歳を超えると10%弱、15歳を超えるとおよそ25%の猫がなると言われています。
腎臓の機能が低下してしまうせいで、毛まで影響が出てしまうことで毛割れに繋がります。
<毛割れ以外に注意したい症状>
- 水をよく飲む
- よく吐く
- 食欲がない
- 元気がない
- よだれが多い
- おしっこの回数が増えた
- 口臭が気になる
腎不全以外にも、甲状腺機能亢進症や慢性胃腸炎、猫風邪などが原因で内臓の機能が低下したことが原因で、毛並みに影響が出ることがあります。
ただ、これらの病気は早めに見つけて治療をすることで、回復の見込みがあるものがほとんどです。
毎日ブラッシングをしているにも関わらず、毛割れが改善されない、頻回にできてしまう時は、内臓系にトラブルがあるのかもしれません。
原因⑤ 皮膚トラブル
アレルギーや皮膚病でも毛割れが起こりやすくなります。
皮膚が乾燥していたり、毛穴に皮脂が詰まってしまうことで毛がパサついてしまい、毛割れが起きやすくなります。
特に乾燥には要注意。
乾燥していると、毛がパサつくだけでなく、皮膚がひどくかゆくなり、頻繁にかいてしまう猫ちゃんは多いです。
猫ちゃんが過ごしやすいとされている温度は20℃前後(高齢猫の場合は+3℃)、湿度は50~60%と言われています。
特に冬場は暖房器具も使うことから、部屋の中が乾燥しがちなので要注意です。加湿器などを使うのもオススメです。
また、部屋の乾燥だけでなく、猫の脱水でも毛割れになりやすくなります。
もともと水を飲む量が少ない猫もいますし、高齢期に入るとますます水を飲まなくなる猫って意外と多いみたいです。
水分補給がしっかりできているのか、飼い主さんがチェックしてあげるようにしてください。
こちらの記事では、あまり水を飲まない猫ちゃんに対する対応について詳しく書いています。
ここで改めて、猫の毛割れの原因についてまとめます。
- 老化現象の一つ
- 栄養不足(フードがあっていない)
- 口に痛みがある(口内炎など)
- 内臓系の疾患
- 皮膚トラブルと乾燥、脱水
このように原因について知っていくと、飼っている猫ちゃんに当てはまりそうなものもあるのではないでしょうか。
毛割れを発見!その後の対処法3つ
毛割れを発見したら、悪化させないようにできるだけ早く対処したいというのが飼い主として考えるでしょう。
病気による毛割れは動物病院での治療を最優先しなければいけませんが、汚れや乾燥によるものであれば自宅でも十分に対処可能です。
対処法① ブラッシングをする
毛のトラブルに対しては必須の方法と言っても過言ではないブラッシング。
毛割れに対しても、もちろん効果はあります。
若くて、身体が健康なのに毛割れができている場合、フードの問題もあるかもしれませんが、自分で十分な毛づくろいができていない可能性もあります。
人間でも、背中のように手が届きにくいところは洗いにくいですよね。
人間のようにスポンジやタオルが使えないという点を考えると、猫の方がさらに自分でケアをしにくい場所は放置され気味になっています。
また、口内炎だったり、高齢で毛づくろいそのものが億劫になっている猫ちゃんに対しては、飼い主さんがしっかりとブラッシングをしてあげる必要があります。
ブラッシングのポイントは、毛の流れに沿って優しくブラッシングすること。
そして猫ちゃんが嫌がる時は無理をせず、短時間ですませること。1日5分ほどでも十分に効果はあるようです。
ブラッシングを嫌がる猫ちゃんの多くは、ブラッシングそのものに慣れていないのが原因だと言われています。
できれば、子猫の時から定期的にブラッシングをして、常に毛づやが良い状態を保ちたいですね。
対処法② フードを見直す
健康体でブラッシングもしているのに、それでも毛割れができる場合は、フードが合っていない可能性があります。
先ほどの原因でもお話しましたが、市販のフードの中には安いけど質が良くないものもあります。
猫の毛を作るのは動物性タンパク質です。これは主に、お肉や魚からとることができるのですが、良質のものでなければあまり意味がありません。
そもそも、猫は完全な肉食動物のため、人間や犬とは違い、穀物類のような炭水化物では栄養が吸収されません。そのため、猫のエネルギー源はタンパク質によって作られているのです。
これだけでも、猫にとってタンパク質がいかに大事かということが分かっていただけるのではないでしょうか。
フードの袋の裏に付いている原材料名については、内容量が多いものから記載されていますので、先頭にお肉や魚が入っていることが大切なポイントです。
成分表示では、タンパク質の含有量を見ていてください。理想は30%以上だと言われています。
ただ、猫ちゃんの健康を第一に考えられているフードは、どうしても市販のものよりも高価なものが多いです。
家計のことを考えて、少しでもお手軽で安価なフードを購入したい気持ちは痛いほど分かります。
しかし、フードの質が悪いせいで栄養不足になり、そこから体調不良で病院通いになってしまうと、もっと大きな出費になる可能性があります。
お金がすべてではありませんが、猫を飼う以上、ある程度の出費は必要です。
また、年齢によって必要なエネルギーも変わっていきます。
年齢に合わせてフードの内容や量を変えていきましょう。
こちらの記事に、いいフードの条件や、年齢によるエサのあげかたについて詳しく解説していますので、参考にしてください。
https://www.shiawasegift.com/cat-food-nikusyoku-zassyoku/
対処法③ 環境を見直す
冒頭のゆねのお話になってしまいますが、ゆねの毛割れを発見したのが真冬の寒い日。
部屋の中は暖房をフル稼働し、とても乾燥している状態でした。
毛割れについて調べていく中で、乾燥が原因ということを知り、改めて部屋の湿度を確認したところ、なんと30%。
これでは、猫でなくても、皮膚が乾燥してしまいますよね。
さすがに家中に加湿器を置くわけにはいかなかったのですが、ゆねがよく過ごす部屋に加湿器を置くようにしました。
毎日のブラッシングの効果も合わせて、今では元通りのキレイな毛並みになりました。
また、脱水も毛割れの直接の原因になります。
猫が水を飲みたいときにいつでも飲めるように、水入れは家の中で何カ所か置いておくといいかもしれません。
ちなみに、我が家は1階と2階に1つずつ置いています。
猫が落ち着いて飲めるように、人通りが多くない場所に置いてあげてください。
さらに、寝床が清潔かどうかも重要なポイントです。
寝床は自分のニオイが無くなると落ち着かない子もいるかもしれませんが、汚れたままだと眠るたびに汚れを自分の身体につけてしまうことになります。
ある程度は清潔な状態でいられるように、時々チェックしてあげてください。
- 定期的にブラッシングをする
- フードを見直す
- 環境を見直す(乾燥対策、水分補給、清潔かどうか)
ここで紹介したものは、健康な状態での対処方法です。
もし、食欲が無かったり、よだれが多くなっていたり、口臭がきついなどの病気のサインが見られる時は、すぐに動物病院に連れていってあげましょう。
まとめ
ただの毛の乱れによるものから、重大な病気のサインまで、様々な側面を持っている毛割れ。
もし、飼っている猫ちゃんに毛割れが見つかった時にどうすればいいのかについて、改めて振り返ります。
毛が割れてしまう原因としては、5つの可能性が考えられます。
- 老化現象
- 栄養不足
- 口のトラブル(口内炎など)
- 内臓疾患
- 皮膚トラブル(乾燥、脱水)
毛割れを見つけたら、悪化する前に対処してあげましょう。
- 定期的なブラッシング
- フードの見直し
- 環境を整える
- 体調不良があるときは、早めに動物病院に行く
普段から猫の様子をしっかり見て、ブラッシングをすることで毛割れは早い段階で見つけることができます。
また、長毛種の猫は短毛種の猫よりも皮脂汚れが付きやすいので、より入念なケアが必要になります。
たかが毛割れ、されど毛割れ。
愛猫がいつまでも元気でキレイにい続けてもらうためにも、質のいい食事と住みやすい環境づくりを心がけるようにしていきましょう。