皆さんは、猫と生活するうえで「いったい何本の毛が生えているんだろう」と疑問に思ったことはありませんか。
しかも結構な量の抜け毛が、毎日のようにありますよね。
ブラッシングをまめにするのはもちろんな事、吸引力の高い掃除機を使ってみたり、出かける前に洋服に粘着ローラーでコロコロをするのが必須だったり、皆さん工夫されて猫ライフを満喫されていると思います。
わたしは猫の毛が付いて目立つので、黒色などの服を避けるようになってしまいがちです。
猫と一緒に暮らすこと約20年のわたしですが、ふと「あれ、こんなにたくさん毛が生えているのも、毛が抜けるのも、うちの猫だけなのかな」と思いました。
猫は毛が抜けて当たり前、たくさん毛が生えていて当たり前、と思い込んでしまっているんじゃないかと思ったんです。
今回はそんな、猫と暮らしていくうえで切っても切り離せない、猫の毛にまつわるお話をご紹介していきます。
猫に生えている毛の量はとても衝撃的でしたので、ぜひ読んでみてくださいね。
猫の毛の本数は約100万本!
猫の体1㎝平方あたりには約600本もの毛が生えています。
なぜこんなに密に生えているかというと、猫の1つの毛穴からは5~7本ほどの毛が生えているからなんです。
この1㎝平方あたりに約600本生えていることを基に、猫の体の面積で計算すると猫の体全体には約100万本もの毛が生えていることがわかります。
約100万という数字、本当に正しいのか気になったので、実際に友人の猫ちゃん8匹のサイズを測らせてもらってその平均値で計算してみました。
【胴体】
35㎝(首からお尻まで)×38㎝(胴回り)=1,330㎠
1,330×600(1㎝平方あたりの本数)=798,000
【しっぽ】
25㎝(長さ)×5㎝(太さ)=125㎠
125×600=75,000本
79,8000+7,5000=873,000本
ざっと計算しただけでも、胴体としっぽだけで約87万本あることがわかります。
ここでは顔と足の毛の本数はカウントしていないので、体全体で約100万本という情報は正しいことがわかりますね。
人間の毛髪は平均して約10万本生えているので、猫は人間の10倍も毛が生えている動物なのがよくわかりますね。
確かに、長毛種のほうが毛量も多そうなイメージがありますよね。
実際のところ違いがあるのか、次の項目でお話ししていきますね。
- 猫の毛は約100万本
- 1つの毛穴から5~7本毛が生えている
- 1㎝平方あたりに約600本生えている
猫の種類による毛量の違い
一言に猫と言っても、様々な種類の猫がいますよね。
猫は、被毛(体を覆っている毛の事)の種類によって大きく分けて4つのグループに分けることができます。
そうなんです、猫の被毛は短毛・長毛という長さの区別のほかにもダブルコート・シングルコートという毛の生え方によって区別されます。
- 長毛×ダブルコート
- 長毛×シングルコート
- 短毛×ダブルコート
- 短毛×シングルコート
「どんな猫が毛量が多いのか」という謎は長毛であるか短毛であるかよりも、このダブルコートであるかシングルコートであるかが大きく関係してきます。
まずはダブルコートとシングルコートの構造についてお話をしていきますね。
ダブルコートとシングルコート
- ダブルコート…トップコートとアンダーコート両方の毛が生えている
- シングルコート…トップコートもしくはアンダーコートどちらか1種類の毛が生えている(あるいは片方が少量である)
直射日光による刺激や、水などから皮膚を守る役割がある。
主毛(しゅもう)・上毛・オーバーコートなどと呼ばれることもある。
トップコートよりも内側に生えている毛の事。主に体温調節や防寒の役割を持つ。
副毛(ふくもう)・下毛・アウターコートなどと呼ばれることもある。
つまりシングルコートの猫よりも、トップコートとアンダーコートの両方が生えているダブルコートの猫ほうが毛量が多いということなんです。
ちなみに毛量はダブルコートであるかシングルコートであるかによって差が出てきますが、必ずしも「毛量が少ない=抜け毛が少なく飼いやすい」ということではありません。
こちらの記事で抜け毛の少ない猫ちゃんを紹介していますので、抜け毛の少ない猫ちゃんをお探しの方はぜひ読んでみてください。
たしかに、猫を飼うのにダブルコートであるかシングルコートであるかってあまり意識しませんよね。
どんな猫がダブルコート・シングルコートなのかを比べやすいように毛の長さごとにいくつか紹介していきますね。
長毛×ダブルコート
ペルシャ・ノルウェージャンフォレストキャット・ラグドールなど
【ペルシャ】
長毛×シングルコート
メインクーン・ターキッシュアンゴラ・ターキッシュバン
【ターキッシュアンゴラ】
短毛×ダブルコート
アメリカンショートヘア・アビシニアン・ロシアンブルーなど
【アメリカンショートヘア】
短毛×シングルコート
シャム・シンガプーラ・デボンレックスなど
【シャム】
どうでしょう、見た目だけじゃダブルコートとシングルコートの違いが全然わからないですよね。
ダブルコートとシングルコートの主な違いはアンダーコートの有無なのですが、アンダーコートがとても細くて短い毛のため、見た目だけではダブルコートなのかシングルコートなのかを区別するのはとても難しいんです。
ミックスちゃん向けに、ダブルコートとシングルコートを見分ける方法をお伝えしますね。
ダブルコートとシングルコートの見分け方
実際に猫の毛をかき分けてみると、ダブルコートかシングルコートかがわかります。
ダブルコートの実態。
毛を掻き分けるとこうなってます🐈💓
グラデの感じが良き🥰
なお、これから大量に抜け毛が始まる模様🤣😱😂😱😂😱#コロコロの消費が激しい#ダブルコート#長毛猫#猫好きさんと繋がりたい #ノルウェージャンフォレストキャット pic.twitter.com/ttpyhVXrGC— ネコ好きのネズミ (@norwegian_mof) April 20, 2020
こちらの写真の猫ちゃんのように、ダブルコートであれば内側に短い毛が生えています。
アンダーコートは一本一本がとても細いため、トップコートと比べると色が薄く見えるのが特徴です。写真でも黒い毛をかき分けているのに、中心部分がグレーなのがよくわかりますよね。
反対にシングルコートの場合、生えている毛の種類は1種類のため、毛をかき分けても短かい毛や細い(色が薄い)毛が生えていることはありません。
猫の毛量はダブルコートの猫のほうが多く、シングルコートの猫のほうが少ない
- ダブルコート…トップコートとアンダーコート両方の毛が生えている
- シングルコート…トップコートもしくはアンダーコートどちらか1種類の毛が生えている(あるいは片方が少量である)
猫の毛と換毛期
猫の被毛の構造と毛量についてお話してきましたが、ダブルコートであるかシングルコートであるかは換毛期にもとても関係があるんです。
換毛期では「たくさんの毛が抜ける」というイメージがありませんか。
実は換毛期ではすべての毛が生え変わるわけではなく、アンダーコートが生え変わっているんです。
そのため、アンダーコートの生えていないシングルコートの猫に換毛期はありません。
よく「季節の変わり目」なんて言われますが、何月ごろが換毛期にあたるのかをお話ししていきますね。
生え変わりのサイクル
猫には年に2回、暖かくなり始める3月頃と、寒くなり始める11月頃に換毛期があります。
11月の換毛期に比べ、3月の換毛期の方が抜け毛の数が多くなります。
これは冬を乗り越えるため、密集して生えていた何本もの毛が抜けるためです。
反対に、11月の換毛期では抜け毛の数は少なくなります。
暑さを逃がすために、隙間を空けて生えていた毛が抜けるためです。
しかし完全室内飼いをしている場合、大きな気温の変化を感じることがないため明確な換毛期がないことが多くあります。
おうちの猫ちゃんが季節の変わり目に関係なくよく毛が抜ける場合、1年を通して温度差をあまり感じていないからかもしれません。
感染性皮膚炎やアトピー性皮膚炎など、症状として抜け毛が出る場合があります。換毛期以外に大量の毛が抜ける場合は一度動物病院で診察してもらってくださいね。
- 年に2回、3月と11月に換毛期が訪れる
- 完全室内飼いの場合、明確な換毛期がない場合がある
- アンダーコートの生えていないシングルコートの猫には換毛期はない
- 抜け毛が主な症状な病気もあるため、換毛期以外に大量に毛が抜ける場合は注意が必要
まとめ
猫の毛は約100万本生えているという衝撃的な事実がわかりました。
もちろん、体格や季節による変動はありますが、人間の10倍もの毛が生えているとは、たくさんの抜け毛があることも妙に納得してしまいました。
こんなにもたくさんの毛が生えられるのは人間と違い1つの毛根から5~7本の毛が生えているからでした。
猫の毛量の多さは、毛の長さではなくダブルコートかシングルコートかが重要でしたね。
- ダブルコート…トップコートとアンダーコート両方の毛が生えている
- シングルコート…トップコートもしくはアンダーコートどちらか1種類の毛が生えている(あるいは片方が少量である)
また、猫の毛が盛んに抜ける換毛期についてもご紹介しました。
内容をまとめてみましたので、よかったら参考にしてください。
- 年に2回、3月と11月に換毛期が訪れる
- 完全室内飼いの場合、明確な換毛期がない場合がある
- シングルコートの猫には換毛期はない
- 抜け毛が主な症状な病気もあるため、換毛期以外に大量に毛が抜ける場合は注意が必要
猫ちゃん一匹につき、人間10人分の毛が生えているんです。
家の中にちょっと抜け毛があっても、仕方ないと思ってしまえる数でした。