これまでたくさん猫ちゃんの歯やお口の健康の大切さをお伝えしてきましたが、実は猫友さんにも同じようにお話しすることが多いんです。
そんな猫友さんの一人から、「ゆねさんの熱弁のおかげで、歯磨き嫌いな子だけど歯磨きトレーニングを始めることにしたよ!」という嬉しい言葉をいただいたんです。
その猫友さんの猫ちゃんは元野良ちゃんで、ひどかった健康状態も取り戻し、飼い主さんにも懐いてくれるようになったんですが、元野良だけあって顔回りや歯を触られるのはとても苦手。
確かに歯磨きトレーニング中だったり、歯を触られるのがどうしても嫌な猫ちゃんのお口のケアもしたいですよね。
そんな猫ちゃんには飲み水に混ぜるだけでいい簡単な歯磨き、「飲む歯磨き」をオススメします。
歯磨きが嫌いだからといって放置してしまっては、歯周病など最悪生命にかかわる状態にもなりかねません。
今回は「飲む歯磨き」の嬉しい効果や、厳選したおすすめ商品3つをご紹介していきます。是非、水に入れるだけの簡単お口ケアを取り入れてみてくださいね。
飲む歯磨きの効果
「飲む歯磨き」というと、わたしたち人間でいう液体歯磨きをイメージする方が多いかもしれませんが、実は全然違うものなんです。
もちろん歯磨き効果があることには変わりないのですが、正しい知識を持っておかないと、「全然効果ない~!プンプン!」なんてことにもなりかねません。
そうならないように、まずは飲む歯磨きの効果や使い方を知っていきましょう。
飲む歯磨きの主な効果
「飲む歯磨き」はその名の通り、水に混ぜて猫ちゃんが飲むことで、歯や口内に歯磨き効果がある製品のことです。
それは、その液体の中にお口の汚れを落としてくれる成分や、殺菌効果のある成分が含まれているから。
例えばわたしたち人間でいうと、緑茶に豊富に含まれるカテキンは抗酸化作用や殺菌作用があるので、口内炎などの症状や予防に緑茶を飲むと良いとされています。
このように、お口に良い成分の入ったお水を飲んでもらうことで、簡単に歯やお口のケアができるということなんです。
そんな「飲む歯磨き」を摂取することで得られる主な効果はこちら。
- 食べたエサの汚れが取れやすくなる
- 歯垢がつきにくい状態にする
- 歯石が出来にくい状態にする
- 口臭の軽減
もちろん製品によって成分は様々なのですが、中には腸内細菌にも効果がある成分を使っていて、お口の中だけでなく腸内環境までも改善する製品などもあるんですよ。
ちなみにこういった飲み水に入れるタイプの歯磨きは主に「液体歯磨き」「飲む歯磨き」「飲むタイプの歯磨き」などと言われています。
しかし「液体歯磨き」という製品には、歯ブラシやガーゼで磨くために使う液体状の歯磨き粉も含まれています。
飲み水に入れる液体歯磨きと、歯ブラシにつける液体歯磨きでは使い方も全く違うので、お買い物の際は間違えないよう気をつけてくださいね。
なお、歯ブラシで使う歯磨き粉を探している方はこちらでオススメ商品をご紹介していますよ。
飲む歯磨きの使い方
「飲む歯磨き」の使い方はとっても簡単。猫ちゃんが普段飲むお水に、決められた量を加えるだけ。
ほとんどの製品がかき混ぜる必要がないように作られているので、飼い主さんがやることはお水に混ぜるだけなんです。
あとは猫ちゃんが好きなタイミングで飲んでくれれば大丈夫。猫用の給水機を使っている方も、それに対応している製品もあるからご安心を。
その気持ちはとてもよくわかりますが、飲み残してしまったお水は1日1回は必ず取り替えましょう。含まれる成分によっては、放置するとカビなどの原因になってしまいます。
また、量も製品によって決められた量を守りましょう。製品によってはお腹がゆるくなったりすることもありますし、健康に良いという食べ物や飲み物でも過剰摂取はよくありません。
ですが、匂いなどに過敏な繊細猫ちゃんには、少量から混ぜていくのは良い方法です。ほとんどの製品が無味無臭に作られていますが、やはり敏感な猫ちゃんは気付くようです。
また、開封したあとの保管方法も製品によって異なります。冷暗所で保管となっているなら冷蔵庫や床下収納庫、常温保存なら風通しのいい温度変化の少ない場所に保管してくださいね。
飲む歯磨きの注意点
簡単にお口のケアができる「飲む歯磨き」ですが、メリットだけではありません。もしこれですべて解決するなら、こんなに沢山の歯磨きグッズが世の中にあるわけないですもんね。
- 飲む歯磨きを混ぜた水が、確実に汚れに届くとは限らない
- 製品によっては、敏感な猫は飲みたがらないこともある
- 成分によってはその猫に合わない場合もある
- 水をあまり飲まない猫には向いていない
特に1つ目。飲み水に混ぜて飲んでもらうという方法である以上、猫の飲み方によっては歯の奥まで届くとは限りません。
また、水をあまり飲んでくれなくて、ウェットフードや鶏肉のゆで汁などで水分を補っているような猫ちゃんには向いていません。
このように注意点はあるものの、やはり飼い主さんの大きな手助けになってくれることは間違いありません。
そんな「飲む歯磨き」を使うのがオススメな猫ちゃんやシチュエーションを続いてご紹介しますね。
ぜひ取り入れて!こんな猫・こんな時
手軽にお口ケアが出来る「飲む歯磨き」ですが、特におすすめなのが次のような猫ちゃんやシチュエーションです。
- 水をよく飲む猫
- 歯磨きや口を触られるのがどうしても嫌な猫
- 歯ブラシやシートなどによる歯磨きトレーニング中の猫
- 自分の子育てや多頭飼いなど、毎日の歯磨きの時間がとれない時
- 他の人に預ける時の歯磨き代用として
- 保護直後など、すぐお口のケアをするのが難しい時
「飲む歯磨き」を愛用している方のほとんどが、猫ちゃんの歯磨きが難しい飼い主さんです。口を触らなくてもお口ケアが出来るというのがやはり最大のメリットですよね。
また、飲む歯磨きは基本的に日々継続して使う必要がありますが、旅行や出張など短期間の歯磨きの代用として使うのも良いですよ。
もちろん、歯ブラシが出来ている子に飲む歯磨きを使って、猫ちゃんのお口をさらに良い状態にしていくという使い方も花丸です。
また、薬との併用には問題ないものがほとんどですが、心配な方はその製品を持っていくか成分を獣医さんに伝えて、確認してくださいね。
逆に向いていない子は、先ほどもお伝えしたように「水をほとんど飲まない子」です。水に混ぜる歯磨きなので、そもそも水を飲んでくれないと意味がありません。
水をうまく飲ませる方法についてはこちらで紹介してますので、なんとか飲む歯磨きを使いたい!という場合にはこちらをご覧ください。
オススメ飲む歯磨き
動物病院でもおすすめ!「リデンタ ウォータープラス」
飲む歯磨きとして必ずと言っていいほど紹介されているのがこちらの「リデンタ ウォータープラス」。わたしも昔の愛猫「しゅり」の歯のケアが難しかった時に、獣医さんに教えてもらった商品です。
原材料として使われている「ユッカシジゲラ」という植物のエキスにより、歯垢・歯石の予防が期待できます。
この植物は、北米のネイティブアメリカンの中で「生命の樹」とも呼ばれ、古くから関節痛や炎症などに効く薬草として使われてきた植物なんです。
このエキスに含まれるサポニンは、抗炎症作用があり、またビフィズス菌を増殖してくれる作用もあるので、腸内環境も整えて口臭ケアも出来るんです。
お口を触らせてくれる猫ちゃんには、飲み水に混ぜるだけでなくガーゼなどに含ませて歯茎マッサージに使うのもオススメですよ。
成分 | 精製水・ユッカシジゲラエキス・ハーブ・安息香酸ナトリウム |
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効果 | 歯垢・歯石の予防、口臭の改善、抗炎症作用 |
使用方法 | 飲み水に混ぜる、脱脂綿やガーゼに含ませて歯根付近をマッサージする |
使用量 | 飲み水500mlにつきキャップ1杯(5ml) |
風味 | 無味無臭(原液はかすかにハーブの香り、希釈することでほぼ無臭) |
「しゅり」は歯磨きをさせてくれなかったので、こちらを使用。3か月ほど続けると、生臭かった「しゅり」の息が気にならなくなったのには驚きましたね。
原材料は水だけ!アルカリ電解水100%「ボーダン」
この「ボーダン」は、水を特殊な製法で電気分解した電解還元性イオン水です。これは「アルカリ電解水」や「還元水」とも表現されることもあります。
アルカリ電解水はタンパク質や油脂を分解する性質があり、最近では、便利で赤ちゃんや環境に優しい掃除用品としても注目を集めています。
また、表面張力が普通の水より低いので、細かい汚れの隙間まで入りこむことが出来るんです。
成分 | 水(電解還元性イオン水) |
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効果 | 歯垢や歯の汚れをはがす |
使用方法 | 飲み水に混ぜる |
使用量 | 飲み水100mlにつき1プッシュ |
風味 | 無味無臭 |
こちらを使っている知り合いの飼い主さんによると、他の飲む歯磨きは合わなかった敏感な猫ちゃんでも、こちらは大丈夫だったとのこと。
化学物質不使用!フルボ酸歯磨き「シグワン ハミガキサプリ」
フルボ酸というのは、クエン酸や酢酸などと同じ有機酸の一種で、枯れ木などが微生物によって分解されて出来る、天然の物質です。
土の中に長い年月をかけて蓄積されていく、このフルボ酸には抗炎症作用や抗酸化作用があるといわれています。化粧水やサプリメントとしても使われており、まだまだ研究途中ではありますが注目の成分なんです。
こちらの「シグワン ハミガキサプリ」は約8000年前の腐植土からろ過抽出しているフルボ酸100%の製品で、飲み水に入れてもいいし、直接お口にスプレーする使い方もできるんです。
成分 | フルボ酸エキス100%(純天然腐葉土由来抽出物) |
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効果 | 口内炎、歯石の予防、口腔内の菌の繁殖を抑える |
使用方法 | 飲み水に混ぜる、または口の中に直接スプレー、もしくはガーゼに吹き付けて直接歯をこする |
使用量 | 飲み水300mlに対し、3~4回程度プッシュ(口に直接スプレーする場合は2~3プッシュ) |
風味 | 無味無臭 |
おまけ:直接歯に吹きかけるスプレータイプ
先ほどご紹介した「リデンタ ウォータープラス」に、さらに有効成分を加えたスプレータイプがありますので、せっかくなのでご紹介させていただきますね。
こちらの「リデンタ 歯石ケアスプレー」には、「ウォータープラス」に含まれていた「ユッカシジゲラエキス」に加え、抗酸化作用が強いブドウ種子エキスや、口内感染症を起こす微生物と戦ってくれるフラボノイドが配合されています。
「歯石ケアスプレー」という名前の通り、より歯石への効果が高い製品で、お口の中を歯石が出来にくい環境にしてくれます。直接お口にスプレーしたら拭き取る必要はなく、そのままで大丈夫。
より効果の高いお口ケアが出来るので、お口周りを少し触らせてくれるようになったらこちらにトライするのも良いですね。
まとめ
水に混ぜるだけという、歯磨きが苦手な猫ちゃんや、忙しい飼い主さんにとっても使いやすい「飲む歯磨き」。
歯磨きトレーニング中の猫友さんも、早速取り入れてみて、歯が放置になっているという不安感が解消できたとのこと。
年齢制限や薬との飲み合わせなど、条件や使い方に難しいことはないので、是非気軽に取り入れてみてくださいね。
最後に、「飲む歯磨き」には他にもたくさんの製品があります。ですが、お水に入れて体内に入れるという使い方である以上、安全性にはこだわりたいですよね。
今回紹介した製品は、どれも猫ちゃんの安全性を重視したものなので、もし迷ったらこの3つからまずは試してみてくださいね。