ある日のこと。いつものように愛猫ゆねと遊んでいたら、友人から一通のLINEが。
この友人は、先日、生後4ヶ月の猫ちゃんを飼い始めて猫友の仲間入りをしたんです。
わたしが、ゆねの歯磨きに成功していることを知っているので、助けを求めにきたんですね。
みなさんはどうでしょう。愛猫ちゃんの歯磨きをしっかりできていますか。
やろうとすると逃げちゃうんだよね、ちょっと面倒だしやり方もわからない、たまにはやってるけどどのくらいの頻度でやるべきなの、などお悩みの飼い主さんはとても多いようですね。
実は、亡くなった愛猫しゅりは、あまり歯磨きが好きではありませんでした。子猫時代からちゃんと習慣づけてあげられなかったのが原因です。
だから、ゆねを家に迎えたとき、なるべく早く歯磨きを覚えさせよう、と心に決めました。
そして、3つのステップに沿って計画的に歯磨きトレーニングを行った結果、今、ゆねは嫌がることなく歯磨きをさせてくれています。
今回は、困っている友人や飼い主さんのために、わたしがどのようにゆねの歯磨きを成功させたのかを大公開しちゃいます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
猫の歯磨きはいつから?
では、猫の歯磨きはいつからスタートすればいいのでしょう。
わたしは友人に、「今すぐだよ!」と答えました。
猫は、生後2週間で乳歯が生え始め、その乳歯は、生後3ヶ月~6ヶ月で完全に永久歯に生え変わります。
その間、常に餌を食べ続けているわけですから、愛猫のお口の健康を保つためにもすぐに始めることをおすすめします。
また、しつけと同じで、何事にも柔軟な子猫のうちに覚えさせた方がいいです。成猫になってから新しいことを身につけさせるのは、ちょっと努力が必要ですよね。
これを聞いて、
と心配になってしまった方もいるかもしれませんね。
大丈夫です。このあと歯磨きトレーニングの仕方をきちんと教えますので、ぜひチャレンジしてみてください。成猫だからと言って、新しいことを覚えられないなんてことはありませんから。
愛猫ちゃんを信じてぜひ始めてみてください。
思い立ったが吉日。猫の歯磨きは今すぐスタートしよう。
歯磨きの頻度はどのくらい?
私はゆねに、毎日歯磨きをしています。
そうですね、そう思いますよね。でも安心してください。これは最終目標です。
最初からゴールを目指す必要なんてありません。
わたしだって、毎日と言いながら、どうしても時間が取れずにできない日や、ゆねのご機嫌が悪くてできない日もありますからね。
まず大切なのは、愛猫が歯磨きを嫌がらずにできる状態を作ること。
そして、まずは1週間に1回を目指し、できるようになったら1週間に2~3回、もっとできるようになったら、毎日行う。
このようなペースでやってみましょう。
もちろん、飼い主さんの負担にならない範囲で続けてくださいね。飼い主さんが毎日嫌々やっていたら、愛猫ちゃんにそれが伝わってしまいますし、長続きしません。
飼い主さんと愛猫ちゃんにとってベストな頻度を見つけましょう。
理想は毎日。でも無理なく長期で続けられることが、なによりも大切です。
歯磨きのやり方
ではいよいよ、歯磨きをスムーズに始める方法をお伝えしていきますね。
まだまだ歯ブラシの登場は早いですよ。猫は使ったこともない歯ブラシを口に入れられたらビックリして逃げ出してしまいます。
そもそも猫は、顔や口の周りを触られるのが好きではありません。猫が抵抗感を感じないよう、次のように段階を踏んでステップアップしていきましょう。
- ステップ1 まずは口の中や歯を触る練習をしよう
- ステップ2 少しずつ歯ブラシに慣れさせよう
- ステップ3 歯磨きをスタート
ステップ1 口の中や歯を触る練習をしよう
まずはこのステップが一番大切です。ゆねもまずはここからスタート。
優しく顔全体のマッサージをしながら、口周りを触り、さりげなく唇をめくって歯茎や歯も触ってみましょう。
日ごろのスキンシップや体全体のマッサージの流れで、少しずつ進めていくとやりやすいですよ。
ここで焦りは禁物です。
特に口周りや口の中は、触らせてくれない猫も多いので、日数をかけてじっくりと行いましょう。トライするタイミングは、猫がリラックスしているときや、ちょっと眠そうにしているとき。
ゆねも最初は全然触らせてくれず苦戦しました。そこで、ゆねのリラックスタイムである、蒸しタオルで体を包み込んで拭いてあげている時間を狙うことに。
すると、警戒心が薄れていたのか、たんだんされるがままの状態になり、とうとう歯茎や歯を自然に触らせてくれるようになったんです。
また、少し話が変わるのですが、もし猫が病気になり薬を飲ませる必要があるとき、愛猫の口元を触れないと苦労する場合があります。この機会に、口を開ける練習をしておくのもいいですよ。
猫の口の開け方にはちょっとしたコツがありますので、参考にしてみてくださいね。
- 片手を猫の頭の上からかぶせ、親指と人差し指を頬に沿わせるようにして口の横をつかむ
- そのまま指で軽く圧迫しながら頭を少し後ろに倒す
- 口が半開きになるので、下あごを軽く押して口全体を開ける
最初は嫌がるかもしれませんが、無理に開けようとせず、優しくやってみてくださいね。
ステップ2 少しずつ歯ブラシに慣れさせよう
いよいよ歯ブラシの登場ですが、最初から歯ブラシを受け入れてくれる猫は少ないかもしれません。
わたしがゆねに実践してきた方法をお伝えしますね。
1.歯磨きジェルを指につけて歯に直接塗る
まずは歯磨きジェルに慣れさせます。指にジェルをつけて、歯ブラシ無しで指だけで歯を磨くイメージです。ジェルには猫が好む風味がついているので、すんなり受け入れてくれます。
ゆねには、歯を触れるようになってすぐに、このジェルを使い始めました。どうやらジェルの味が気に入ったようで、全く問題がなかったので、数日で次のステップに進めましたよ。
2.指サック歯ブラシを使う
猫の歯ブラシには様々な種類がありますが、指を差し込んで使うタイプの歯ブラシがあります。猫にとっては飼い主が指で歯磨きをしてくれた感覚に近いので、抵抗感が薄いようです。
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ただ、グリップ部分が太いため子猫の口に入りづらく、細かい部分まで磨けない難点も。
この製品で歯磨きに慣れたら、通常の猫用歯ブラシに切り替えた方がいいでしょう。猫用歯ブラシも、最初は小さいサイズを選んでくださいね。
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もし最初から猫用歯ブラシを問題なく使えるのなら、このステップは飛ばしてステップ3に進んでもOKですよ。
ゆねも、本当は最初から通常の猫用歯ブラシを使いたかったんです。ただ、どうしても嫌がったので、ワンクッション置くために指サック歯ブラシを1~2週間利用しました。
ステップ3 歯磨きをスタート
歯ブラシに慣れてきたら、いよいよ歯みがきです。
- 猫の頭を上からつかみ、上唇を親指でめくり上げて歯を出す
- 歯ブラシに歯みがきジェルをつけ、1本ずつ丁寧にみがいていく
- 奥歯は歯石がつきやすいので、念入りにみがく
- 歯ブラシの角度を45度くらいにして小刻みに動かし、歯周ポケットにたまった歯垢をかき出すようにすると効果的
- 歯磨きジェルの量が多いと、猫の口からたれるので、使い過ぎに注意
このやり方が歯磨きのフルコースです。
ゆねはもう慣れたもので、おとなしく歯磨きが終るまでじっとしてくれています。
ただ、ここまで安定するには、1~2ヶ月はかかりましたよ。ある日は大丈夫だったのに、急に次の日から2日間は嫌がって歯磨きさせてくれなかったり。
猫は気まぐれです。途中で飽きちゃって逃げ出してしまうこともあるかもしれません。そんなときは、その日の歯磨きは終わりにして、翌日に残りの歯を磨けば大丈夫。
あまり気負わず、できる範囲で進めていきましょう。
- 猫がリラックスしているタイミングを狙おう
- 焦らずに時間をかけて歯ブラシに慣らそう
- 嫌がったら無理に続けず、後日改めてチャレンジしよう
歯ブラシで撫でるとマッサージ&ブラッシング効果が?
ところで、数年前に、歯ブラシで猫の顔のマッサージやブラッシングをするといいよ、という話が話題になっていたのをご存じでしょうか。
動画に気持ち良さそうな猫ちゃんの表情がたくさん投稿されていて、すごく印象に残っていたんです。どうやら、歯ブラシの感触が猫特有の舌のザラザラ感に似ているから気持ちがいい、とのこと。確かになるほど、という気はしますね。
そして、今回この歯磨きについての記事をまとめながら、急に思い出してわたしもゆねにやってみることに。
マッサージの仕方に特に決まりはないようですが、簡単にまとめると次のような感じ。
- 歯ブラシを用意。これは、猫用ではなくて人が使う歯ブラシでOK。
- 歯ブラシで、猫の額、頬、あごの下などを優しく撫でる。毛並みに沿ってブラッシングしてあげるイメージ。
- 嫌がらずに気持ち良さそうにしていれば、背中など顔以外の部分も撫でてあげる。
わたしも興味津々でやってみたところ、効果てきめん。ゆねは最初はちょっと警戒していましたが、あまりに気持ち良かったのか、すぐにとろーんとした表情に。
されるがままにおとなしくしているので、本当にマッサージ効果があるんだなあと実感しました。
そのときに思ったのですが、これは、歯磨きトレーニングの一環としても使えるかもしれません。
歯ブラシに警戒して口に入れさせてくれない猫が多いので、歯ブラシでの顔マッサージを気持ち良いと認識してくれれば、歯ブラシを使って歯を磨くことにも抵抗がなくなるのでは。
わたしはもう、ゆねに試すことができないので、これを友人に話し、取り入れてもらうことにしました。すると、早い時期から歯ブラシでの顔マッサージに慣れたせいか、歯ブラシを使って歯磨きを始めても抵抗する様子はなかったとのこと。
これはなかなか良い方法なのかもしれません。ご興味あればぜひ取り入れてみてくださいね。
デンタルケアグッズも併用しよう
歯磨きがベストだとわかっていても、なかなかうまく行かないこともありますよね。
そんなときは、無理せず、歯磨きにもチャレンジしながら、歯みがき以外のデンタルケア商品を併用しましょう。
歯磨きシート
なかなか歯ブラシを受け入れてくれない猫へ、その前段階として使うといいでしょう。
わたしも常備していて、どうしても歯磨きの時間が取れないときや、ちょっとだけ汚れが気になる部分に使います。手軽に汚れをふき取れるのでとても便利。
歯みがきおやつ
歯みがきほどの効果はないものの、歯石が付きにくくなります。猫が嫌がらず好んで食べてくれるので取り入れやすいです。
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デンタルケア用のキャットフード
粒の形や食感が独特で、猫が時間をかけて噛むように設計されています。それにより、ブラッシング効果を期待できます。
歯みがきおもちゃ
遊びながらデンタルケアできるグッズです。
かわいい形が気に入って購入。いつも噛みつきながら楽しくじゃれていますよ。
まとめ
猫の歯磨きにお困りの飼い主さんはたくさんいますよね。でも、正しいステップを踏んでトレーニングを行えば、歯磨き習慣を身につけることができます。
- 歯磨きはできれば子猫時期からスタートしよう。
- 歯磨きを行う頻度は毎日が理想。できない場合は週2~3回を目安にしよう。
歯磨きを成功させるには、ステップを踏んで少しずつ慣れされることが大切です。
- ステップ1 まずは口の中や歯を触る練習をしよう
- ステップ2 少しずつ歯ブラシに慣れさせよう
- ステップ3 歯磨きをスタート
歯ブラシに慣れたら、次のような方法で歯磨きをしましょう。
- 猫の頭を上からつかみ、上唇を親指でめくり上げて歯を出す
- 歯ブラシに歯みがきジェルをつけ、1本ずつ丁寧にみがいていく
- 奥歯は歯石がつきやすいので、念入りにみがく
- 歯ブラシの角度を45度くらいにして小刻みに動かし、歯周ポケットにたまった歯垢をかき出すようにすると効果的
- 歯磨きジェルの量が多いと、猫の口からたれるので、使い過ぎに注意
このステップで進めても、うまく歯磨きができないこともあるでしょう。
その場合は、無理せず、歯磨きシートなどのデンタルケア商品を併用しながら、歯磨きにもチャレンジし続けてください。
大切なのは、焦らずに愛猫のペースに合わせること。
最初から完璧を求める必要はありませんので、肩の力を抜いて始めてみてくださいね。