みなさんは、猫の栄養不足を心配したことはありますか。
わたしは昔、気付かない間に愛猫「しゅり」を栄養不足にしてしまったことがありました。それは、「しゅり」が口内炎になってしまった時のこと。
その時は、いつもツヤツヤでしなやかな体だった「しゅり」が、なんだかボサボサした毛並みになってしまい、少し小さくなったようにも見えました。
実は、その時「しゅり」に起きていたのが栄養不足。
口内炎が原因で思うようにごはんを食べることができず、必要な栄養を取ることができていなかったんです。まさか、栄養不足で見た目にまで変化が現れるとは思ってもいませんでした。
この出来事で、わたしは猫の栄養状態を管理できるのは飼い主しかいないのだと、強く感じました。
同じ失敗をしないように調べてみたところ、栄養不足に気付かずにいると、心臓を患ったり視力を失う場合があることが分かったんです。
今回は、すぐにおかしいと気付くことができるよう、栄養不足の猫に見られる症状をまとめました。栄養不足にならないために普段から気を付けたいこともご紹介しています。
猫に必要な栄養素
そもそも、栄養とはなんでしょう。
それは、食べることで栄養素を体に取り込み、エネルギーを作って使ったり、体を作ったりして命を維持していくこと。
まずは、猫にとって必要な栄養素を知っておきましょう。
- タンパク質
- 脂質
- ミネラル
- ビタミン
- 水
そうですね。人間にとっては、パンやご飯など主食に含まれている炭水化物は、エネルギー源として欠かすことができません。
でも、猫はなんといっても肉食。エネルギー源はタンパク質と脂質です。だから、炭水化物は絶対必要というわけではないのです。
この症状、栄養不足かもしれません
あなたの猫ちゃんに、こんな症状はありませんか。もしかすると栄養が不足しているのかもしれません。
- 体重が減った
- 毛ヅヤが悪い
- 大きくならない
- ものにぶつかる
- じっとしている
- 歩き方がおかしい
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
体重が減った
人間も栄養が取れなければ、やせていってしまいますよね。猫も同様です。
体重は健康のバロメーター。普段から定期的に測って管理をしておくと、異変が起きた時に早く気付いてあげることができます。
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大きくならない
妊娠中や授乳中のお母さん猫が栄養不足になると、子猫たちの発育にも影響が出るので注意が必要です。子猫の場合はそこで成長が止まってしまい、発達が不完全になったり病気になってしまうことも。
特に授乳期は、通常の2~6倍ものエネルギーを必要とすると言われています。
毛ヅヤが悪い
脂質は皮膚や毛の健康を守ってくれる成分。それが足りなくなることで、こんな症状がでてしまうことがあります。
- 毛のツヤがなく、パサパサする
- 被毛の色がくすんでしまう
- 毛が抜ける
ものにぶつかる
タンパク質から作られるタウリンという成分が足りないために、【網膜委縮症(もうまくいしゅくしょう)】という病気になってしまい、視力が急激に低下する場合があります。
網膜が薄くなってしまい、視力が落ちてしまう病気です。初期に気づくことはまれで、進行すると視力が低下して何かにぶつかったり反応が鈍くなったりします。最悪の場合失明することもあります。
初期であれば薬で食い止めることができますが、一度異常を起こした網膜は元には戻りません。
じっとしている
同じくタウリンの不足が原因で、【拡張型心筋症】という病気になることがあります。
心臓の筋肉が薄くなることで、心臓自体が大きくなってしまう病気です。心臓の働きが弱くなり、体中に血液を送ることが難しくなります。発症すると、食欲がなくなる、じっとしている、体温が下がるなどの症状が見られます。
心臓の病気は命に直結するため、気になる症状がある時は、すぐに動物病院を受診しましょう。
歩き方がおかしい
カルシウム・リン・ビタミンDなどのミネラルのバランスが悪くなることで、【クル病】という病気になることがあります。
体の一部の機能が必要以上に活発になることで、骨がもろくなってしまう病気です。成長期の猫の症状はクル病と呼ばれ、骨が出来上がっている猫の症状は骨軟化症と呼ばれます。
関節が腫れて痛みもあるため、歩き方がおかしくなる猫も。だんだんと立つ姿勢がおかしくなってしまう場合もあります。
これらは他の病気にも起こりうる症状です。
あまり自己判断をせず、心配な症状については動物病院の先生の診察を受けましょう。
栄養が不足する原因
愛猫ちゃんに症状がなかった人にも、ぜひ知っておいてもらいたいのが、栄養不足になってしまう原因です。
「しゅり」の場合は、口内炎が痛くてごはんをうまく食べられなかったせいでした。フードを軟らかくしてあげればよかったと反省し、対策をまとめたのはこちらです。
猫の栄養が不足する原因は大きく分けて2つあります。
1.食欲不振
体の問題だけではなく、心の問題でも食欲不振になってしまうことがあるのです。食欲不振を招く主な要因はこちらです。
- 口の中の痛み
- ストレス
- キャットフードの好み
- 老化
- 病気
食べなければ栄養素を取り入れることができません。食事が十分にできていないときは、食べさせるものを工夫するなどして、栄養が不足しないように気を付けてあげましょう。
口内炎での痛み対策以外でも、「ゆね」の食いつきが悪いときはキャットフードをふやかしてあげたりしています。
簡単な方法をご紹介しているので、食欲増進にお役立てください。
2.栄養の偏り
食欲満点、もりもり食べてお皿もピカピカ。それなのに栄養が不足してしまうというのがこちらのケース。
しっかり食べているのだから、栄養が不足するなんて考えられませんよね。でも、これも人間と同じ。栄養のバランスが大切なんです。
- 偏食
- 手作りごはんが多い
これらによって、必要な栄養素をまんべんなく取れなくなってしまうことがあります。
もちろん、手作りごはんが悪いわけではないんです。お誕生日など特別な時には、わたしも「ゆね」に作ったりしています。
繰り返しになりますが、大切なのはバランス。おすすめレシピを紹介しているので、参考にしてただけたら嬉しいです。
そうはいっても、猫にとって一番栄養バランスの良い食べ物はやはりキャットフード。
キャットフードは総合栄養食と呼ばれていて、他に水があれば、成長段階に合わせた栄養素をしっかりとることができるんですよ。
普段のごはんの基本は、キャットフードを与えるようにすれば安心です。
愛猫を栄養不足から守るために
大切なことは次の3つです。
- バランスの取れた食生活
- ストレスの少ない生活
- 定期的な健康診断
1.バランスの取れた食生活
こちらは、「栄養が不足する原因」でもお話した通り、キャットフードを基本とした食事を与えていればバランスを保つことができるはずです。
年齢や体調に合わせたフードを選んであげたいですね。
2.ストレスの少ない生活
猫はストレスに弱い生き物。一方で、ストレスを隠そうとするところもあるんです。
- 引っ越し
- 他の猫との不仲
- 長期の留守番
- 来客
- 騒音
- 汚いトイレ
こんなところにストレスを感じやすいと言われています。「ゆね」も来客が続くと、少し食欲が落ちてしまうことがあるんですよ。
簡単に解決できないものもあると思いますが、できる限り取り除いてあげたいものです。そっと寄り添ってあげることで、心の栄養を補ってあげましょう。
3.定期的な健康診断
血液検査をすれば、体内の栄養バランスが取れているかは一目瞭然です。貧血や肝臓、膵臓などに異変がないかどうかもわかるので、「ゆね」も定期的に受けるようにしています。
まとめ
まずは、栄養不足の猫に見られる気付いてほしい症状をおさらいします。
- 体重が減った
- 毛ヅヤが悪い
- 大きくならない
- ものにぶつかる(網膜委縮症の疑い)
- じっとしている(拡張型心筋症の疑い)
- 歩き方がおかしい(クル病の疑い)
特に4~6については、危険な病気にかかっている場合があります。症状に気付いたら、できるだけ早く動物病院で診てもらうことをおすすめします。
栄養不足にならないために、気を付けたいことは以下の3つでした。
- バランスの取れた食生活
- ストレスの少ない生活
- 定期的な健康診断
栄養は生きていくために欠かせないもの。飼い猫は飼い主が与えるものからしか栄養をとることができません。
愛猫ちゃんの健康を守るため、栄養を欠かすことのないように心がけましょう。